ウール×シルク×リネン——三種混紡スーツが生み出す、日常と特別のあいだ

ウール×シルク×リネン——三種混紡スーツが生み出す、日常と特別のあいだ

スーツを選ぶとき、何を基準にするだろう。

値段、ブランド、シルエット——それぞれ大切だ。でも、長く着続けられるスーツを選ぶなら、もっと根本的な問いがある。「素材は何でできているか」だ。

TRENTE ET UNのスーツ「Harmonie(アルモニー)」は、ウール・シルク・リネンの三種混紡で作られている。この三つの素材が、なぜ組み合わされるのか。そして、その組み合わせが何を生み出すのか——今日はそこから話したい。

素材が服の8割を決める

パリの名門服飾学校ESMODを修了し、〈Marc Le Bihan〉でクチュールのパターンを学んだデザイナー・佐藤匡時がよく口にする言葉がある。

「素材が服の8割を決める」

これは決して誇張ではない。どれほど精巧なパターンを引いても、縫製が丁寧であっても、素材が持つ性質を超えることはできない。逆に言えば、素材を正しく選べば、服は自ずと良くなる。

ウール——品格とコシ

ウールは、スーツの基幹素材だ。適度なコシがあり、着込むほどに体に馴染んでいく。シワになりにくく、型崩れしづらい。気温の変化に対応する自然な調温機能も持っている。

ただし、ウール単体では重さが出る。夏場や気温の高い日には、着心地の重さを感じることもある。

シルク——光沢と柔らかさ

シルクは、ウールに光沢と柔らかさを加える。生地の表面が微細に光を反射し、見る角度によって異なる表情を見せる。それが、スーツに「ただのウール地ではない」品格をもたらす。

また、シルクの滑らかさは、着用したときの体への馴染みを高める。ジャケットを羽織った瞬間の、あの「滑る」ような感覚——それはシルクが担っている。

リネン——通気性と経年変化

リネンは、素材に呼吸をさせる。繊維の構造上、空気の通りが良く、夏でも蒸れにくい。ウール×シルクの組み合わせにリネンを加えることで、年間を通じて着られるスーツが実現する。

また、リネンはエイジングが美しい。着るほどに柔らかく、体に沿うようになる。「育てる服」という感覚に最も近い素材のひとつだ。

三種混紡が生み出す「調和」

この三つが混ざり合ったとき、それぞれの弱点を補い合い、長所が引き出される。

ウールの重さをリネンが和らげ、シルクが滑らかさを加える。ウールの型保持力を活かしながら、リネンの通気性で快適さを維持し、シルクの光沢がスーツとしての品格を担保する。

これが「Harmonie(調和)」という名前の由来だ。

日常と特別のあいだに

TRENTE ET UNが目指すスーツは、「一張羅」だけではない。

重要な会議やフォーマルな場面にも通用しながら、日常の外出にも着ていける服。クリーニングに出すたびに大げさな気持ちにならずに済む、洗練されているが近しい服。

三種混紡という素材の選択は、そのための答えだ。

フランス語で「一張羅を着る」を意味する Se mettre sur son trente et un——その「一張羅」が、毎日着たいと思えるものであってほしい。それがTRENTE ET UNのスーツだ。


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